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zoom RSS ジャック・ロジエの祝祭感覚

<<   作成日時 : 2010/02/14 12:17   >>

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昨日からシネ・ヌーヴォで,幻のヌーヴェルヴァーグ作家ジャック・ロジエの特集上映が始まった。

長編3本+短編集(3本)の小規模な構成だが・・

フィルモグラフィーを見ると,1960年からこれまでに,長編作品は5本を数えるのみ。

何しろ,ロジエ作品は,日本ではまともに公開されたことがないらしく・・

「奇跡の上映!」なんて仰々しく銘打たれている。


昨日,観たのは次の2本。

『アデュー・フィリピーヌ』(1960-62年 フランス・イタリア)
『メーヌ・オセアン』(1985年 フランス)。


25年の年代差がある2作だが,その基本構成は見事なぐらい同じだ。

乾いた息苦しい日常を送る人物たちが,ヴァカンスで海辺に相集い,エキサイティングなひと時を過ごしたのち,またいそいそと現実に引き戻される。。

日常を離れ,羽目をはずして,人間らしさを取り戻す際の祝祭感覚が素晴らしい。

『アデュー・フィリピーヌ』では,コルシカ島の真夏の月夜のアヴァンチュール・・

露骨に裸を見せたりしないのに,画面が開放感に満ちていた。

基本的にこの作家のスケベさがよくわかるし・・

ジャン・ルノワールの影響を感じずにはいられない。


そして,そのあとの「現実に引き戻される」描写が何しろ執拗で,現代人は身につまされる。

特に『メーヌ・オセアン』で,鉄道の検札係が興行師にだまされ,仕事に戻る足を奪われて必死にあがく様。。

船を乗り継ぎ,延々と都会へ戻るシークエンス・・

砂浜のロングショットが利いて,そのこだわりぶりがスゴイと思った。


ともかくキャメラワークがしつこいというのか,全体にワンショットが長くて・・

特に,歩いている,或いは走っている人物を延々と追いかける移動撮影は見事。

モーションピクチャーの何たるかを垣間見るような高揚感に満ちている。


ヌーヴェルヴァーグ作家のご多分にもれず,ともかく女優にこだわり,チャーミングに撮る。

聞いたこともない無名に近い女優ばかりだが,今回観た2作とも,女優陣は魅力的だった。

この辺が,「夢のような美女」を排してリアル感を求めた「アメリカンニューシネマ」との大きな差異だ。


ところで『アデュー・フィリピーヌ』の主人公が勤めるテレビ局のシーンで,ジャン=クロード・ブリアリと思しき人物がエキストラに混じっていたのだが・・

何かの身内ネタなんだろうか?


アデュー・フィリピーヌ [DVD]
紀伊國屋書店
2006-09-30

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