上方遊歩人のクラシックシネマ考

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zoom RSS 2009年映画総括 〜リバイバルの加速〜

<<   作成日時 : 2009/12/31 12:03   >>

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いよいよ今年もあと半日となった。

昨年の12月半ばに始めたこのブログも,いつの間にか丸1年を過ぎていた。

前にやっていた映画ブログが行き詰まって,つれづれに,何もテーマを決めないつもりで始めたのだが・・

始めてみると,やはり映画の話題が多くなってしまった。

**********************

今年は,いったい何本映画を観たのだろう?

数えたことがないのでわからないが・・ 年々本数は減っているように思う。

関西には,2本立て「名画座」がないことと,旧作上映が少ないことが大きい。

昨今は,ミニシアター系,単館系映画にも魅力を感じなくて,あまり観にいかなくなったこともある。


ただ,近年,やや期待の持てる傾向として・・

名作のデジタルリマスターやニュープリントによる修復版リバイバルがある。

なぜかフランス映画が多くて・・

今年は,ジャック・ドゥミの『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』,ルイ・マルの『地下鉄のザジ』などがあった。

今は,ジェラール・フィリップ没後50周年記念として・・

なぜかオータン=ララの『赤と黒』がリマスター公開されている。

作品選定に首をひねるが・・ フィリップ主演のカラー作品はこれしかないので,しかたないか。。


個人的には,ビクトル・エリセの『ミツバチのささやき』『エル・スール』のリバイバルはうれしかった。


邦画では,生誕百年をむかえた山中貞雄が特集されたのも朗報・・

監督作でフィルムが残っているのは3本しかないが,脚本作などを加えた特集上映が組まれていた。

一方で,角川映画は「大雷蔵祭」という50本に及ぶ大特集を組んだりしている。


これらは,ビジネスの側面から見ると・・

映画全盛期に青春をおくったシニア・シルバー世代を劇場に呼び戻そうという動きに思われる。

映画が「娯楽の王様」だった時代,映画館に通うことが「日常」だった人たち・・

特に団塊世代リタイア後,エルダービジネスは巨大市場となった。

「映画館体験」に乏しい若い層を,高額でリスキーなハリウッド新作で釣るより,コストパフォーマンスはずっと良さそうだ。


ただ留意すべきは,古い作品だから良い,というのではないこと・・

先日,読売新聞にマイケル・ムーアのインタビュー記事が載った。

彼は地元の古い映画館を買い取り,新旧の厳選された作品を「完璧な映像と音響で楽しめる」劇場として,非営利で運営しているらしい。

ムーア曰く・・

「ろくでもない作品ばかり観て,映画離れを起こしていた観客を呼び戻し,映画リテラシー育成に寄与したい」

彼の言質は,私のような偏狭な映画ファンには痛快極まりない。

日本にも,彼のような人が表れてほしい。

そんな思いを込めつつ,2009年のページを閉じることにしたい。。


映画館(ミニシアター)のつくり方
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
実は私、ジェラール・フィリップの大ファンです。彼の顔自体は大して好みではありませんが、彼の佇まいやふとした仕草、声質や台詞回しにはゾクゾクします。そう、彼にはどこか大人の男としての品がある様に感じるのです。コミカルな「ファンファン・ラ・チューリップ」、若い男のエゴイズム丸出しの「肉体の悪魔」、ジャンヌ・モローと丁々発止とやり合った性的モラルを無視した「危険な関係」、画家モディリアーニの繊細さを巧みに演じた「モンパルナスの灯」私は何と言ってもこの4作品が好きですね。その他にもこのブログにも出て来た「赤と黒」や「パルムの僧院」「夜毎の美女」「メフィスト」…等といった映画も以前見漁りました。
ところで遊歩人さんは「さよなら子供達」というフランス映画はご覧になった事がおありですか?私は勝手に、ホロコーストを描いた四大映画としてこの「さよなら子供達」、チャップリンの「独裁者」、スビルバーグの「シンドラーのリスト」、ベニーニの「ライフイズビューティフル」を挙げています。シンドラー…はこの中で一番画面上悲惨なシーンが登場しますが、私が一番人間の怖さを感じたのは、このさよなら子供達です。
まりりん
2010/06/02 15:27
まりりん様
いつもありがとうございます。
ジェラール・フィリップは私も好きで,主だった主演作は観ました。フランス俳優でも,こんな優雅さ繊細さを感じさせる人は稀有ですよね。また,共演の女優さんに恵まれていた印象もあります。フランス映画って,ジャン・ギャバン主演みたいな渋いのも好きですが,フィリップ作品も良いですね。
私は「さよなら子供達」という作品をまだ観ていませんので,機会があれば観たいと思います。
遊歩人
2010/06/03 08:42
遊歩人様
早速お答え下さって有り難うございます。
「さよなら子供達」は第二次対戦下のフランスのカトリックの寄宿学校が舞台になっていて、これと言った悲惨な場面は出て来ないのですが、子供達同士の何気ない会話や行動を通してかいま見える、画面の裏で起こっているだろう恐ろしい現実を想像すると怖くなる映画です。
差別する側される側、その構図はいつまた何かのきっかけで逆転したり、他の更に弱い立場の者へ波及していったりする現実。
非常時な戦争自体ももちろん恐ろしいけれど、もっと怖い物はどんな人間の心の中にも常に潜んでいて、それは何かの拍子に溢れ出て来る。そんな映画です。
ジャン・ギャバン、渋いです!
「望郷」「ヘッド・ライト」も良かったですが、特に年を取ってからのギャングや泥棒の親玉役をやっている時の彼は最高でしたよね。
全然ハンサムじゃないし西洋人にしては顔デカいし足短いけど、魅力的な男です。
まりりん
2010/06/03 09:43
まりりん様
「さよなら子供達」のこと,お教えいただき,ありがとうございます。ご説明から,きっと良い映画なのだなと思いました。昨今のCG多用の作品は何でも絵にする直接的な表現が多くて,ちょっとウンザリすることがあります。銃後を描くことで戦争の悲惨を物語るような作品って,旧作ではけっこうありますが,最近は見かけないですね。
ジャン・ギャバンは若い頃から貫禄がありましたが,後年のアラン・ドロンとの共演作など渋かったですよね〜^^
遊歩人
2010/06/04 08:37

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