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zoom RSS キェシロフスキ映画の魔力

<<   作成日時 : 2009/07/21 01:15   >>

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クシシュトフ・キェシロフスキ・・

日本人なら舌を噛みそうなこの文字の羅列は,ポーランドの映画監督の名前。

いま,シネ・ヌーヴォでは,「キェシロフスキ・プリズム」と名付けられた,この監督の特集上映が行われている。

54歳の若さで亡くなって,すでに13年が経っているらしい。

単館系好きな女性なら,トリコロール三部作などで,きっとよく知っている映画作家なのだろう。

が,私にとっては,最も空白状態の80年代以降作家・・

要するに,よく知らなかった人なのだ。


シネ・ヌーヴォに通って,今日までに以下の5本を鑑賞した(年代順)。

『スタッフ』 (1975年/ポーランド)
『愛に関する短いフィルム』 (1988年/ポーランド)
『ふたりのベロニカ』 (1991年/フランス・ポーランド)
『トリコロール/青の愛』 (1993年/フランス)
『トリコロール/白の愛』 (1994年/フランス・ポーランド)


いちばん古い『スタッフ』は,ドキュメンタリー作家だったキェシロフスキが劇映画へと転向した時期の作品。

習作的な色合いが濃くて,作家と作品をよく知っている・・ というか研究しているぐらいの人でないと,ちょっと辛いと思う。


『愛に関する・・』はテレビシリーズ『デカローグ』の一編を劇場用に再編集したものらしく,映像的にはやや貧弱だ。

しかし,外国資本で撮るようになる以前の作品で,作家としての本質がよく出ている印象だし・・ 後年の作品より,作劇的には,むしろドラマチックだ。


『ふたりのベロニカ』と『トリコロール/青の愛』の2本は,女性が主人公で,映像づくりへの拘りが深い。

『・・・白の愛』は男が主人公で,どちらかと言うと,ユーモアとペーソスに富んだタッチに特徴がある。


************************

キェシロフスキ作品の特質は,何といっても映像そのものへの拘りだと思う。

ここでいう「映像」には,不可分の存在として,「音像」も含んでいる。


画と音によって,「空気」までもフィルムに定着したような感覚・・

私が男だからかもしれないが,被写体が「女性」の時に,特にそれを感じる。

何というか,その人の内面から発散されるオーラを,あまねく写し撮ったような・・

そして,そういった映像の質感を連ねることで,ドラマが紡がれていく。

こういう映画はホントに久々に観た。


「音像」には,日常的な効果音と装飾としての音楽がある。

効果音には相当気を配っている印象だが,それにも増して,音楽の効果についての計算は緻密だ。

『愛に関する・・』でのギターの哀調,『ふたりのベロニカ』での主人公の透明な歌唱,『・・青の愛』でのEU統合を象徴する曲・・

映画の中で,音楽がモチーフとして,大きな役割を担っている。


(日本に住む大半の映画ファンが,そんな機会に恵まれないのは承知だが・・)

やはりこういう映画は,劇場の大スクリーンと音響によらなければ,本当には味わえないとつくづく思う。


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