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zoom RSS 映画『M』 〜ラング&ローレ 画期的融合〜

<<   作成日時 : 2009/07/15 23:55   >>

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シネ・ヌーヴォのケイブルホーグ・コレクション追加上映で,フリッツ・ラングの『M』がかかった。

ラングのドイツ時代の作品なんて,劇場で観られる機会は滅多にないので,さっそく土曜の晩に観に行った。


1931年,ドイツ・ウーファー社製。ラングの初トーキー作品で,犯罪映画史上のパイオニア的名作だ。

ラングらしいオドロオドロした陰影表現が冴え,スタジオセットの見事さにも目を見張る。


日本でいえば,昭和初期の作品だが・・

少女嗜好という「異常心理」をモチーフに,人格破綻者を真正面から描いてしまう現代性に驚く。


風采の上がらない小男が,幼い少女に接するたび妄執にとらわれ,誘拐殺人を繰り返す。

精神を病み,自分の意思では抑制の利かない孤独な男。

もう80年近くも前の作品なのに,驚くほど現代とつながっている。


何しろ,異常者ピーター・ローレの怪演が圧巻!

異常性の表現がリアルで,個性的なマスクが活きている。


特にラストの犯罪者集団による「裁判」の場面が凄い!

ついに,街のならず者たちに捕まった男は・・

自分を血祭りに上げようと気勢を上げるならず者たちを前に,泣き叫ぶように自らの性癖を暴露する。

裁く者と裁かれる者の対決! 一触即発の緊迫感が強烈だ。


F・ラングという人は,意外に小道具が好きで,本作でも様々なものが登場する。

タイトルの「M」の意味はもちろん・・

例えば,ピーター・ローレが逃げ込んだビルの一室から抜け出そうとあがく場面で,ドアの取っ手が動くのを見て,追っ手の存在に気づくシーンなど印象的だ。


一方,少女殺人犯の捜索をめぐって,ギャングと警察の2つの会合をジャンプカットで結ぶシーンも新鮮だった。


これは,フリッツ・ラングの先取性とピーター・ローレの個性がみごとに融合して生まれた,犯罪映画史に画期をもたらした名作といえるだろう。




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