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zoom RSS 「万博」に狂わされた世代

<<   作成日時 : 2009/05/16 19:45   >>

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夕方から弱い雨になった。

昨晩は新入社員歓迎会で,けっこう飲んで,今朝は少し遅く起きた。

五臓六腑が浮遊していたので,家でウダウダして過ごしてしまった。

今年の大卒・大院卒は,まだ,かろうじて「昭和生まれ」だ。

しかし,「平成生まれ」が上がってくる日も近い。

時が経つのは,何と早いことか・・


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ここしばらく,メディアの扇動もあってか,昭和ブームが続いている。

『20世紀少年』とかいうマンガやその映画化の影響もあり・・

1970年の大阪万博に対する回顧もそちこちで見かける。


そう・・

私の世代から上には,「あの万博」に取り憑かれ,狂わされた(?)人間が大勢いるのだ。

嘉門達夫氏や河内屋菊水丸氏の万博コレクターぶりは有名だが・・

個人博物館や,万博をモチーフにカフェを開業してしまった方もいる。

浦沢直樹氏は,当時,万博に行けなかった恨みを引きずって,『20世紀少年』を著したらしい。


ちょっと前,新聞の日曜版で,空間メディア・プロデューサーの平野暁臣氏の記事を読んだ。

岡本太郎のパートナーだった敏子氏の甥で,巨大壁画「明日の神話」を日本に持ちかえった功労者だ。

この人がイベント制作を志した原体験も,あの万博・・

「人生最大の事件」だったと語っていた。


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いったい,あれは何だったのだろう?


大阪に住む小学生だった私は,期間中,4回万博に行っている。

最寄りの駅から,タクシーで15分ほどで行けたのだ。


それは千里丘陵に現出した,まさに「「夢の王国」だった。

画像
万博跡地には,いまも巨大な太陽の塔がたたずんでいるが・・。

それと同規模の近未来的な建造物が,広大な敷地に,ところ狭しと林立していた。

当時の少年達にとって,そのインパクトはあまりにも強烈だった。

「人類の進歩と調和」を合い言葉に・・

日本中から,世界中から集った,見渡すばかりの人の海。

人気パビリオンは2〜3時間待ちでも当たり前・・

4回行っても,入れたパビリオンはごく一部。

ソ連館に入れなかったことが,いまだに悔やまれる・・


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いまにして思えば,あの万博は・・

「アジアの奇跡」と呼ばれた高度成長の最後の打ち上げ花火だった。


あの頃,日本人の多くが,無邪気に「進歩と調和」を信奉していた。

科学が進歩すれば,世の中どんどん豊かで便利になると信じて疑わなかった。

公害や薬害が問題化し,社会的差別や偏見など,今よりずっと深刻だったのだけれど・・

でも,「未来」は明るく,希望に満ちていたのだ。

あんな時代は,もう来ないだろう。

若い世代は,私たちを羨やむだろうか?


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ところが,今になって,あの時代に少年期を送ったことの不幸を思う。

万博ののち,日本は低成長時代に突入した。

この40年間を振り返ったとき・・

私にとって,あの万博を超えるものがないのだ。

どこへ行っても,何を見ても,あれほどの感激や興奮を覚えることがない。

コレクターやマニアになってしまう心理の裏には,じつはそういうことがあるのではないだろうか。


多感な少年期と大人になってからでは,感じ方が違うということはあっても・・

そんなこととは次元の違う「何か」が,あの時代,あの万博にはあった。

それは,あの万博に狂わされた世代だけが知る,言葉にできない「何か」なのだと思う。


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間宮芳生

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