|
「フランス映画の秘宝」のトリを飾るのは,ジャック・ベッケルの長編処女作。 1942年作品・・ これも日本未公開のようだ。 いつも同じことばかり言うが,ホント,こういう映画をどこに隠しているのだろう? 眠らせておかず,もっと広く公開すべきだと思う。 ******************* 後年,「フィルム・ノワール」と呼ばれる暗い犯罪モノで知られるようになるベッケルだが・・ この処女作では,刑事対ギャングの図式はあっても,ウィットを効かせ,笑いのツボを満載しながら,軽快なリズムで映像を紡いでいる。 2人の若い見習い刑事が,警察学校の主席を競って,ギャングの抗争から起こった殺人事件に挑む・・ なんて話からしてデタラメだが,若かりし日の勢いを,スクリーンにありったけぶつけたような瑞々しい爽快感がある。 ******************* 冒頭からいきなり銃声が鳴り響き,息つく暇もないようなスピード感で,どんどん話が展開していく。 刑事・ギャング入り乱れての出し抜き合戦は,互いの形勢がころころと逆転し,その見せ方が上手い。 ドキドキハラハラ,観る者をぐいぐいと引き込むサスペンス演出は一級品だ。 アメリカ映画の影響は確かに色濃いが・・ ギャング映画というより,どこかスクリューボール・コメディのようなノリで押し切ってしまう。 もちろん,フランス映画らしい洒落たコメディ演出も効いている。 ****************** 妙に憎めないギャングのボス役はピエール・ルノワール・・ その妹役で,かのミレーユ・バランが花を添える。 それにしても,あのラストシーンは何だろう? 銃撃戦で傷ついた主人公が病院のベッドに横たわる。 その横にミレーユ・バランはおらず,主席を競ったライバル刑事。 男同士で見つめ合っても様にならない・・ というかヘンな誤解をしてしまう。 こういった展開の意外性は随所に見られる。 クライマックスの闇夜の追跡劇は暗くてよく見えず・・ 何がどうなったのかわからないうち,唐突に一件落着。 ちょっと呆気にとられた。 でも,そんな些細なこと気にも留めないところは,師のジャン・ルノワール譲りなのかもしれない。 |
| << 前記事(2009/04/19) | ブログのトップへ | 後記事(2009/04/26) >> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|
| << 前記事(2009/04/19) | ブログのトップへ | 後記事(2009/04/26) >> |