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zoom RSS 映画『エヴァの匂い』 〜悪女の系譜〜

<<   作成日時 : 2009/01/23 00:49   >>

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シネ・ヌーヴォ「アキムコレクション」からの1本。

この作品は久々に観たが,じつは劇場で観るのは初めてだ。

ジョセフ・ロージーの代表作とされているが,アキム兄弟によって,改編されてしまったため,ロージーにとっては,かなり不本意だったらしい。

もともと,ジャンヌ・モローの主演だけが決まっていて,ゴダールにオファーが行ったがまとまらず,ロージーにお鉢が回ってきた作品。

撮影中から,ロージーとアキムは犬猿状態だった,とは堀潤之先生のお話。


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しかし,映像面はなかなかいいと思った。

キャメラワークは流麗で斬新さもある。

鏡を使って,主体と客体を同じ画面に見せたり,画面の奥行きを利して前景と後景でドラマを展開したり・・

ヴェネチアらしい水辺のロケが素晴らしく,特にスタンリー・ベイカー演ずる作家の家のロケーションは映画的な面白さがあった。


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ジャンヌ・モローの悪女ぶりはさすがの貫禄だ。

さして美女でもない,トウの立ったオバサンに,男が翻弄され骨抜きにされてしまうのが,不思議に快感だったりする。


戦後,フランス映画の悪女の系譜としては,シモーヌ・シニョレ→ジャンヌ・モローの図式が浮かぶが・・

シニョレは,『悪魔のような女』なんか凄いけど,どこか陰りがあって情のある女臭い役が似合った。

対するモローは,どこまでも非道で冷酷で・・ ちょっとエキセントリックなイメージだ。

古いけど,どこかベティ・デイビスを彷彿とさせるところがある。


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モローは,なぜかヌーヴェル・ヴァーグの監督たちに重用された。

ヌーヴェル・ヴァーグ勃興機にはもう三十路に入っていたのに,やはりその腹の据わった悪女ぶりが買われたのか・・

子どもの頃,テレビの洋画劇場で観たルイ・マルの『死刑台のエレベーター』・・

冒頭,愛人に電話をかけるモローの顔をクロースアップから引いていくショットは,今でも目に焼きついている。


本作は,ロージーの作家的力量の非凡さを示す名編だが,一方で,ジャンヌ・モローあってこその作品ともいえるかもしれない。

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